【書評】保険業界2.0|野口俊哉

今回は、保険業界の歴史から未来展望まで体系的にまとめられた『保険業界 2.0』をご紹介します。この本は特に、新入社員や保険業界で働く方々にはぜひ手に取っていただきたい一冊です。

ポイント

保険業界の過去について

本書では、日本の保険業界がどう変遷してきたのか、1965年の分野調整から始まり、保険会社の破綻、保険金不払い問題、法令改正といったターニングポイントがわかりやすく解説されています。私自身も保険業界に身を置く者として、このような歴史的な背景を知ることが、業界の課題や意義を理解するうえで非常に重要だと感じています。

また、著者の野口さんは、生命保険と損害保険の両方で実務経験を積まれているため、具体的なエピソードが豊富で、読んでいて面白いです。保険業界に入ったばかりの方々や新入社員には、保険業界の成り立ちや転換期について理解できるので、ぜひおすすめしたいと感じました。

保険業界の現在について

本書が出版された2021年は、新型コロナウイルスが業界にも大きな影響を及ぼしていた時期であり、保険会社が直面した課題や変化についても詳述されています。また、低金利環境や少子高齢化といった、日本特有の課題にどう対応しているのかについても考察がされています。

個人的には、「健康増進型保険」に関する記述が特に興味深く感じました。私自身、この分野の保険開発に携わった経験があり、非常に共感する部分や勉強になる部分も多かったです。保険業界においても健康増進への期待(商品だけでなく、サービスを含む)が高まっているので、改めてヘルスケア分野の勉強がしたいなと思いました。

保険業界の将来について

さらに本書では、社会や消費者のニーズが多様化する中で、今後の保険商品がどのように進化していくのかについても詳しく触れられています。私自身も商品開発に関わる立場として、急速に変わる社会のトレンドに対して、保険会社がどんな商品を作りたいのか、また契約者や被保険者のニーズが大きく変化しているというのを日々感じています。こうした変化に対応し、価値のある商品を提供したいなと改めて感じました。

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